

千石船「気仙丸」利活用推進協議会様の「気仙丸」をPRするイラスト、ロゴデザイン作成をいたしました。

千石船「気仙丸」利活用推進協議会様のプロジェクト企画内容・趣旨・活用イメージなどをヒアリングして制作しました。
プロジェクト期間:約3週間
現代に受け継がれてきた気仙大工の技術の象徴「気仙丸」
気仙大工(けせんだいく)と呼ばれる、非常に優れた技術をもつ大工集団ーー
岩手県気仙地方(大船渡市・陸前高田市・住田町)出身の腕の良い大工職人たちで、家屋建築はもちろん、寺社、建具、製作までこなすなど、卓越した技術とともに幅広い分野を手がける大工たち。
気仙大工の技は地元の寺社を中心に、地元のあちこちに根付いています。
気仙丸(けせんまる)は、そんな気仙大工の技巧を受け継ぎ蘇らせた現代の船大工・大工集団「気仙船匠会」によって再現された大型木造和船です。
今から34年前に釜石市で開催された「三陸海の博覧会」へのパビリオンとして、大船渡市一丸となって建造された気仙丸。
平成の時代、全国に一隻もなかった「海上で自走できる千石船」として復元されたこと、そして東日本大震災を文字通り乗り越え損傷もなく海に浮かんでいたこと、気仙大工の技術をのせた、まさに“奇跡の船”として、現在大船渡市に陸揚げ、展示しています。
気仙大工の技と心意気を気仙丸のデザインにも
今回、ご依頼を受けた内容は「現在行われている気仙丸保全のためのクラウドファンディング企画にとどまらず、今後のPR活動や企画にも活用できる、シンボルともなるイラストデザインがほしい」という、「気仙丸を、老若男女問わずより多くの人に知ってほしい、関わってほしい」という思いからのものでした。
イメージされていた希望のデザインをヒアリングしていくなかで、単に見栄えのするデザインではなく、気仙丸を通して気仙大工の技や心意気を、デザインという形で盛り込みたいという思いがありました。

いくつかの試作のなかでも、気仙丸のシルエットに「千石」「気仙」という文字をしのばせるデザインをご提案させていただきました。

本来なら「千石船」「気仙丸」とすべての文字を組み込みデザインするところを、あえて「船」「丸」という文字は入れず、「船」はシルエットで、「丸」はロゴマーク使用時の円形ラインで表現することで完結する仕様にしました。
これは大工のゲン担ぎで「完璧なものは衰退するのみだから、あえて完成した家に数枚瓦を置いて未完成の部分を残していくことで、これからも完成に向けて発展していく」という考えをアイデアとして取り入れました。
あえて“完成させない”という思想を宿したこのデザインは、気仙丸がこれからも人と関わりながら、時代とともに育ち続けていく存在であることを象徴しています。
気仙丸は、過去からの遺産であると同時に、今と未来をつなぐ船でもあります。
このデザインが、誰かが気仙丸を知り、関わり、想いを重ねるきっかけとなれば、これ以上ない喜びです。
千石船「気仙丸」は技と歴史を未来へ運んでくれる“奇跡の船”
少し個人的な話になりますが、「気仙大工左官伝承館」という気仙大工に関することを学べる施設を見学した際に出合った、気仙大工の教示があります。
「名を残すな、技を残せ」
気仙丸を手掛けた現代の気仙大工の方たちは高齢化もあり、その技術が後世に伝わっておらず再現されることは今後難しいといわれています。
でも「技」が残れば後世にも再現する道筋が大いにあると思うのです。
気仙丸は、技とともに、この土地の歴史を未来へ運んでくれる船です。
その歩みを止めないために、現在、保全プロジェクトのクラウドファンディングが行われています。
この船が、これからも海に浮かび続けるための一助となることを、心から願っています。
時代と津波を超えた船匠の誇りを守れ!— 千石船「気仙丸」保全プロジェクト クラウドファンディング開始
https://readyfor.jp/projects/kesenmaru2025
公式サイトはこちら